旧武者小路実篤邸 (32 画像)
水のある所に住みたいという願いを子供の頃から持ち続けていた武者小路実篤(1885-1976)は、昭和30年12月にその念願がかなって、武蔵野の自然と豊富な清水をたたえたここ調布市入間町荻野(現:若葉町)の地を仕事場兼自己完成の場として選んだ。最寄り駅が仙川駅ということで、実篤は仙川の家と呼び、昭和51年に亡くなるまでの20年間、安子夫人と二人で穏やかで、充実した日々を過ごした。旧宅は木造平屋建。延床面積110.39平方メートル(約33.45坪)で、設計は山口芳春である。
「僕は朝は原稿を書き、原稿を書かない時は画をかくことを心がけ、少しでも進歩出来れば喜んでいる…」と「一人の男」の中に当時の生活を記している実篤は、昭和51年4月に90歳の生涯を閉じるまで、この地で数多くの著作と書画の制作に励んだ。
晩年の20年間を過ごしたその旧宅跡は、故安子夫人の遺志によって多くの遺品・所蔵品とともに遺族から調布市に寄贈されたが、昭和53年5月から、実篤がこよなく愛した自然をとどめる「実篤公園」として一般公開されて今日に至っている。
実篤公園とトンネルで結ばれる武者小路実篤記念館は、実篤の生涯と人間像をたどるため関係資料の展示・収集・保存などを積極的に進めることを目的に、実篤生誕100年に当たる昭和60年10月に調布市が設置したものである。平成6年5月には、閲覧室や収蔵庫などをもつ資料館が増設された。

・東京都調布市若葉町1-8-30
公式ホームページ

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