旧毛利本邸 (116 画像)
●旧毛利邸本邸(毛利博物館)
旧毛利邸本邸は、明治天皇から山口県内に本邸を構える承諾を得た公爵毛利家が、維新の元勲井上馨の協力を得て、1892(明治25)年、多々良(たたら)山南麓のこの地に建設することを決定し、建てられたものである。
工事は1912(大正元)年9月に着工し、4年弱の歳月を経て同5年に完成した。設計者は、原竹三郎である。本館は、江戸期の御殿造りの様式を取り入れた近代和風建築で、木曽御料林の桧、屋久島の神代杉、台湾の欅などの銘木・良材を用い、質の高い錺(かざり)金具や金箔金粉を施した壁紙、照明器具などを贅を尽くした意匠で仕上げ、大正・昭和天皇皇后両陛下の行幸の際には、宿泊所として供された。
本館以外では、女中部屋、洗濯所、画像堂、門番所、石橋、本門など11棟のほか、附(たけたり)指定として供待、作事納屋、小使溜り、湯沸場など当時の建物や棟札、建築関係資料がほぼ現存しており、華族の生活実態を明らかにできる稀有な建造物群でもある。
総面積は1983.65㎡に及ぶ。
2011(平成23)年11月、「意匠的に優秀なもの」として、国の重要文化財に指定された。邸内の毛利博物館には、雪舟の四季山水図をはじめ、国宝・重文等重要な宝物を収蔵・展示している。

●毛利氏庭園
庭園は、本邸から見渡せる周防国府跡、三田尻湾、瀬戸内海等の自然を背景・借景としており、自然の地形・植生に人工的な作庭を加え両者の調和をはかっている。本邸への導入部である路傍庭園、邸内の各建造物に調和するように配置された平庭、瓢箪池を中心とした林泉からなり、池の周囲を回りながら景色を観賞する池泉回遊式庭園であるが、滝の石組みやせせらぎを設け、渓谷風の流れを重視した構成となっている。
庭園内に植えられた桜、ツツジ、楓、松等約250種の樹木は、四季折々に美しい姿を競いあい、訪れる人々の目を楽しませている。
東京の庭師、佐久間金太郎の作庭による。明治、大正時代の技術の粋を集めた、旧大名家邸の庭園として非常に優れたものである。

・山口県防府市多々良1-15-1
公式ホームページ

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