明治学院記念館 (8 画像)
1890(明治23)年、神学部校舎兼図書館として建てられた。設計、監理をしたのは、アメリカ人で、当時の明治学院教授ランディスであった。
建設当時在校した島崎藤村は、小説「桜の実の熟する時」の中で
「まだペンキの香のする階段を上って行って二階の部屋へ出ると、そこに沢山並べた書架がある。・・・書架で囲はれた明るい窓のところには小さな机が置いてある。そこへも捨吉は好きな書物を借りていって腰掛けた・・・」と、この建物の中の自身の姿を描いている。
様式はネオ・ゴシックである。19世紀半ば、イギリスの建築にはゴシック・リバイバルの動きがあり、煉瓦を使った素朴で絵画的な建築がつくられた。この建物の設計者もその影響を受けたものと思われる。
明治期、日本には相当数の煉瓦造の建築が造られたが、この建物に見られるように素朴で自由な感覚のデザインは他に例がない。
もとは1・2階とも煉瓦造であったが。1894(明治27)年に大きい地震があり、2階部分と屋根が被害をうけ、今のように2階だけ木造に改められ、現在の煉瓦と木造との連繋構造が美しい建物となった。さらに、近くの建物からの類焼や関東大震災による被災で、尖塔などを何回か修復した経緯もある。1964(昭和39)年には国道一号線の拡幅のため現在地に曳屋され、今なお小チャペル、学院歴史資料館、会議室、事務室などに活用されている。延床面積は約465㎡。
1979(昭和54)年に「東京都港区有形文化財」に指定され、2002(平成14)年に「東京都港区景観上重要な歴史的建造物等」の指定も受けた。

●明治学院礼拝堂
●明治学院インブリー館

・東京都港区白金台1-2-37
公式ホームページ

クリックして画像を拡大





トップページへ inserted by FC2 system