万歳閣(旧松方正義別邸) (19 画像)
松方正義は1893(明治26)年にここ那須野が原に農場を開設した。農場は東西4.5km、南北7kmという広大なものであった。別邸は1903(明治36)年になってから松方の別荘として農場内に建てられた約330㎡の洋館で、1階部分が石造り、2階が木造となっている。
1904(明治37)年には時の東宮殿下(のちの大正天皇)のご駐泊があり、この時、折からの日露戦争で遼陽が陥落したとの報が届き、一同で万歳をしたことから「万歳閣」と呼ばれるようになった。赤松が多く自生していたため、松方はこの地を千本松と名付け、農場も千本松農場とした。当時、万歳閣の前にある掘は水をたたえ、あたりには草を食(は)む羊の群れも見られ、とてものどかな光景だったと伝えられている。現在ではこの堀の周りの楓が秋になると赤や黄色に染まり、楓越しに見る万歳閣は一段と映え、訪れた人々を魅了している。
万歳閣とその周辺の敷地は現在も松方家およびその関係者が使用しているため、デッキ越しにしか見学することができない。
松方正義は1881(明治14)年に参議兼大蔵卿に任ぜられ、西南戦争後の日本経済の混乱を収拾するため紙幣整理、日本銀行の設立など財政政策面で大転換を図り、1885(明治18)年までの間に健全財政への道をつけた。薩摩(鹿児島県)出身の明治・大正時代の政治家・財政家で元老。大蔵大臣を10数年、内閣総理大臣を2回務めた。

・栃木県那須塩原市千本松
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