乃木神社・乃木希典那須野旧宅 (110 画像)
乃木将軍として今でも親しまれている乃木希典は、1891(明治24)年、この地(当時・狩野村石林)に約十四ヘクタールの土地を求めた。もちろん、明治の要人たちのような農場経営が目的ではない。これは静子夫人の叔父(旧薩摩藩士・吉田清皎(きよあき))が所有し、開墾農業を営んでいたが、叔父が亡くなり譲り受けたものである。土地と小さな家屋、馬三頭で1300円だったという。購入時に、住宅一棟と納屋があったが、翌25年、乃木将軍は自ら設計して、農家風の別邸を建てた。栗の木の板を小さく切って重ねた栗小羽葺(後に瓦)平屋で建坪五十三坪(約百七十五㎡)。広い土間と囲炉裏があり、畳の部屋は六部屋ほどあった。
乃木将軍は生涯に四度の休職をしたが、土地名にちなんで「石林子」と号するほどここを愛し、別邸を立ててからは休職中(のべ四十八カ月)の多くをこの別邸で過ごし、晴耕雨読の生活を送った。軍人たるもの粗食であるべしとの信念を持つ乃木は、東京でもどこでも稗飯しか食べなかったというが、那須野では農業作業を手伝ってくれる近隣の農民たちに米の飯をふるまい、気さくに交流したという。
別邸は1990(平成2)年10月28日過激派の放火により焼失し、1993(平成5)年3月に再建された。
別邸の北側には、乃木将軍に関する書籍等が展示されている石林文庫がある。
乃木神社は、乃木希典が明治天皇の崩御により殉死したのちの1916(大正5)年に創建された。春・秋の例祭がそれぞれ4月13日・9月13日に行われる。

・栃木県那須塩原市石林820
公式ホームページ

クリックして画像を拡大





トップページへ inserted by FC2 system